美しき黄金宮殿とシルバーパゴダ

カンボジア王国の首都プノンペンの中心地にあって一際目立つ黄金宮殿。1866年、首都がプノンペンに遷都された際にノロドム王によって創建され、シソワット王の代に宗主国であったフランスからの建築師の手によって現在の荘厳な造りに改築されました。現在でも戴冠式や王室行事などの公務とシハモニ国王と王妃の居住の場となっていますが、前庭に面した王宮の一部とお隣のシルバーパゴダは一般公開されています。

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勝利の門。対になったデザインがシンメトリーな美しさを醸し出し、眩いばかりの黄金色が抜けるような青い空に良く映えます。

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前庭を挟んで勝利の門と向かい合う即位殿。現在のシハモニ国王も、また父親のシアヌーク前国王もここで即位の式典が行われました。見事なクメール建築といい美しく手入れされた庭園といい、これぞ宮殿!といった優雅な雰囲気が空間を支配しています。

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王宮とシルバーパゴダは中で繋がっていて、気がついたらシルバーパゴダの敷地に入っていた。何層もの屋根が重なりあい、中央に高い尖塔がそびえたつ独特の造り。

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シルバーパゴダは1892年にノロドム王によって創建され、1962年にシアヌーク王によって大理石の柱と支柱を備える現在の姿に再建されている。正式名称はウォアット・プレアハ・カエウ・モロコット(エメラルド仏の寺院)だが、再建の際に20cm角で1枚1kgもあるという銀板5,329枚を床に敷き詰めたことからシルバーパゴダと呼ばれている。あちらこちらで草花が色彩とりどりに咲き誇る鮮やかさは、さながら植物園といった優雅な趣で、外の喧噪をすっかり忘れさせてくれる。

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本尊は宝物殿となっている。名前の由来となったシルバータイルだけでなく、エメラルドの仏陀像や2,086個ものダイヤモンドが埋め込まれた純金の弥勒菩薩などの絢爛豪華な金銀財宝が納められ、建物の外観に負けじとピカピカと輝きを放っている。流石は王立寺院。

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ひだり みぎ
寺院だけあって、敷地内にはノロドム王、アンドゥオン王など歴代の王様を祀ったストゥーパや仏像も建てられています。仏像の四肢が欠けているのは、神仏像に高価な宝石を埋め込む習慣があったことから本来は崇拝の対象である神像が盗掘行為の対象になり、金儲けの盗人によって持ち去られてしまったかららしい。腕無し足無しはまだしも、首だけ仏像や首無し仏像など、日本では不気味がられて敬遠されるような形のものも当地では信仰の対象になる。

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敷地をぐるりと囲んでいる回廊には、東南アジア一帯に伝承されてきた叙事詩「ラーマーヤナ」のフレスコ画が642メートルに渡って描かれてい。ラーマーヤナとは、魔王に攫われたシーター姫を勇敢なラーマ王子が救い出すというインド発祥のコテコテのラブストーリー。物語の詳細は分からずとも、絵巻に見入ってしまう。

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厳めしい原住民風の像が守護するこちらの蔵では、象とガネーシャにまつわる展示物が収められている。

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象、大活躍。特に白象は東南アジアで神聖視されていて、タイなどでは発見されれば直ちに国王に献上されることになっているそうだ。

バンコクのワットプラケオ(王宮)と比すと規模的にはがっかりだが、これでもキリングフィールドや虐殺博物館と並ぶプノンペンの定番観光スポットだ。昼休みが11:00~14:00と長いので、訪問の際は要注意!


王宮とシルバーパゴダ
場所:Samdech Sothearos Boulevard,
開門時間:08:00~11:00、14:00~17:00
入場料:US$ 6.5 or KHR 25,000(2013年7月時点)

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