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場末感溢れる田舎町・ビエンホア


前回からの続き。突如の思いつきでベトナム南北統一鉄道に乗り込み、サイゴンの次の停車駅・ビエンホアに辿り着いた。地図も事前情報も無い、文字通りの未知の世界だ。サイゴン都市部から列車で僅か40分、日本で言う横浜や浦和的な郊外都市をイメージしていたが、ところがどっこい、駅には戦乱直後のような混沌とした風景が広がる。どうやら辺境の地まで来てしまったようだ。
ひだり みぎ


民家の様だが詰所か何かだろうか、線路の直ぐ脇に建つ建物前には洗濯物が干してある。カオスと生活感が一体となったトンデモ駅だ。


ビエンホアからの乗客を余すことなく乗り入れると、駅員が手旗を持って発進合図を出し、列車はレールと車輪とが奏でるけたたましい金属音と共に北へと発車していった。

ひだり みぎ
列車のいなくなり、寂しさを増した鉄道駅にはどこからともなく人々が集まりだす。

ひだり みぎ
ボールタッチを柔らかくする為の工夫なのか、靴を買うお金が無いのか定かではないが、プラットホームで遊ぶ少年の足を見ると裸足であった。線路の向こうでは御手製のネットを囲み、青年20人前後が代わる代わる6Vs6のバレーボールを楽しんでいる。純粋にスポーツを楽しむ若者の姿にどこか懐かしさを覚え、暫し見とれてしまう。

あわよくば私もバレーボールに参加し始めたいと思いだした頃、駅員に退去命令を出されてしまう。ホームでの長いは禁物なのか、言われるがままに駅の外に出ることに。

こちらが駅の待合室。帰りのチケットを求めると、最終便である次の列車は17:52発とのことなので、この辺境地を3時間半も探検することになった。


ビエンホア発サイゴン行きは02:12、02:36、03:56、05:21、06:04、08:05、14:21、17:52と、やたら早い時間に偏っている。17:52発、サイゴン行き最終列車のエアコン付き軟座席を予約し、いよいよ街へ繰り出してみる。


人々は皆、ノンラーと呼ばれる三角の菅笠を頭に載せているようだ。何ともベトナムらしい、どこか長閑な風景が広がる。

ひだり みぎ
赤錆びたトタンと腐食の進んだ木材でできた粗末な家屋、痩せ細った家畜の世話をする裸足のおばあちゃん、舗装も無く土煙が舞う道路…ベトナム一の商都ホーチミンから40分離れただけなのに、ドイモイ経済の下で活気を呈すホーチミンのような勢いは微塵も感じられない。


駅から真っ直ぐ伸びる通りは舗装もされて幾分マシではあるが、駅前の閑散ぶりから判断すると、サイゴンの衛星都市と呼べる程の規模の街ではなさそうだ。駅を出た辺りにはタクシーやシクロ運転手が屯しており一斉に声をかけてくるが、地図も無く何処に行っていいのかも分からないので、先ずは駅周辺を歩いてみることに。


タクシーだけでなく、人力三輪車(俗に言う力車)も現役。車夫は典型的なベトナム人で骨格が小さく、上半身裸で見せびらかしたご自慢の肢体からは肋骨が浮き出ていた。本当に客を乗せてペダルを漕げるのだろか怪訝そうに見ていると、私の不安を察してなのか、隣の食堂にそそくさと入って行ってしまった。


ビエンホア駅からはこのような感じで駅から真っ直ぐに通りが伸びている。

駅から真っ直ぐ伸びる直線を歩き出して3分程、ド派手な霊柩車が停車しているのを発見したので親指を隠す。それがこの霊柩車、日本の宮型霊柩車と比べると、とにかくド派手!!この豪華爛漫な装飾ぷりには日本のデコトラなど足元にも及びません。

ひだり みぎ
中華文化の影響だろうが、赤と金がふんだんに使われ、何だかめでたそうな雰囲気すら漂う。龍も心なしか喜びに満ち溢れた表情に見える。壁面に極楽浄土ではなく戦乱の様子が刻まれている様子を見ると、ベトナム人の死後感では冥土でも穴を掘ってアメリカ人と徹底抗戦するのだろうか。


こちらは棺であろうが、霊柩車と合せてこちらも派手!ベトナムの葬式では楽団まで呼んで賑やかに楽しく故人をあの世に送ると聞いていたが、しめやかさとか、おごそかさといった文字は当地の辞書には無いようだ。

さて、更に前に進もうかと思ってふと振り返ると…

霊柩車の正面部分は平凡なんですね…

霊柩車屋さんを過ぎると、中央島に時計台が建てられたラウンドアバウトに行き当たる。

このラウンドアバウトから四方に道が伸びていて、どの道を進むか悩んでしまう。熟慮の末にHung Dao Vuongを直進する道を選んだのだが、これが失敗で、繁華街からはどんどん離れていくようだった。

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ハンモックやココナッツ畑などの南国風な景色が楽しめたが、結局、1時間歩き回ってまた同じラウンドアバウトに出てしまった。今度はBa Muoi Thang Tuを突き進むことに。

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尚あても無く荒廃しきった街並みを歩くと、気持ちの良い風が吹く河川にぶつかった。

ひだり みぎ
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川は濁り、流れはビエンホアの人々の生活スピードを表すかのように穏やかだ。川に沿った公園では野郎どもが中国将棋の卓を囲んでいる。『田舎暮らし』『スローライフ』的な生き方が日本でも見直されてきた節があるが、このド田舎で何の心配も無さそうにのほほんと将棋に明け暮れている姿を見ていると、少しだけ羨ましくも思えてくる。

尚も気の趣くままに歩き続けると、一軒のオシャレなドリンクスタンドを見つけた。
そろそろ列車が来る時間だし、ここでリフレッシュしてから駅にタクシーで戻ることに。


数あるメニューの中から発音が比較的簡単そうだったVND 18,000(≒80円)のSinh To Boというメニューをオーダー。すると1発で通じたらしく、冷蔵庫から緑色のオレンジを取り出し、何やら色々と秘伝のタレのような物を混ぜてからミキサーにかけて出来上がり。これが飲んでみると凄く美味しく、キンキンに冷えたシェイクを1分足らずで飲み干し、もう1杯同じのを頂くことに。東南アジアのフルーツジュースは本当に癖になる。

そんなこんなでビエンホアの街歩きは終了。タクシーに乗り『Ga Bien Hoa』と伝えるとこれまたマグレで一発で通じ、無事にサイゴン行き最終列車で戻ることができました。


帰りは軟座エアコン付き席。外でかいた汗が一瞬で乾ききるほどの冷房設定で、喉をやられてしまった。

今回はかなり行き当たりばったりのプチ旅行になってしまったが、たまには計画無しのぶらり旅行も悪くはないものです。

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