とぼけた寝顔の巨大寝仏像・ワットポー

数あるバンコクの寺院の中でも随一の観光スポットであるワットポーは、1788年にラーマ1世によって建立されたバンコク最古かつ最大の寺院。巨大な寝仏で有名な他、タイ最初のオープン大学、タイマッサージスクールの総本山としても知られています。総面積は約80,000㎡で、南側に僧坊、北側には本堂や礼拝堂、マッサージ場などがあり、チェトゥポン通りを隔てて南北に二分されています。

立地条件も良く、ワット・プラケオと王宮のすぐ北側にあり、周囲にはワット・スタットやワット・マハータートなどタイの主要な寺院がある為、お寺巡りの拠点となる場所にあります。この日、BTSでサパーンタクシン駅まで向かい、タクシン駅下の船着き場からチャオプラヤ・エクスプレスという水上バスで最寄港のTha Tien港まで北上するルートを取りました。タクシン駅からTha Tienまでは約15分、チケットはわずは12バーツでした。タイ語が喋れずとも『ワットポー!』と言えば優しいタイ人がTha Tien到着時に下船するよう促してくれます。

Tha Tienからワットポーまでは徒歩3分。
ひだり みぎ
ワットポーの入口に近づくにつれて飲料水やワットポー土産の出店の数が増えてきます。

ひだり みぎ
矢印に沿って歩き、マキグソのような(失敬!)仏塔が目印の入口を通り過ぎるとそこはもうワットポー。正式名称を『ワット・プラチェートゥポンウィモンマンカラーラーム=ラーチャウォーラマハーウィハーン』と言う。タイの固有名詞はとにかく長い!どう見ても長い名前なのにタイ人に読ませると3~4音節でサラッと発音しやがるのはタイ語の不思議。習いたいとは思わない。


入口右手のカウンターで入場100バーツを支払い、境内のエントランスを抜ける。どうやら外国人のみが入場料を課されているそうだが、よくよく見ているとタイ人専用レーンを抜けていく人に対しても身分証明書の提示は求められていないので、貴方がタイ人ルックであれば無料でスルーすることも可能そう。バチが当たっても当方は責任を取れないが。

ここで、注意点。流石に由緒正しき寺院だけあって、極端に短い短パンやスカート、ビーサンなどのラフな格好での入場は断られる可能性があるとのこと。服の乱れは心の乱れ。服装も心も正してから入りましょう。

因みにチケットの半券で無料のミネラルウォーターの支給を受けることができるので、100バーツの高級な水を買ったと思えば入場料もタダと考えられる。
ひだり みぎ
水の支給場はエントランスを真っ直ぐ進んだ左手に。水なので美味いも不味いもありませんが、ワットポー内限定の水のようなので、観光に没頭するあまり取り忘れぬよう注意。

水を一飲みし、本寺院の最大の目玉である巨大釈迦仏が横たわる礼拝堂へ。

入り口前で靴を脱ぎ、袋に入れて礼拝堂に持参することになります。いざ、入室!


ででぇ~ん!!


ででぇ~ん!


ででででぇ~ん!
どのアングルから見ても素晴らしい寝姿。全長49m、高さ12mの巨大寝釈迦仏様の堂々とした寝転びっぷりに思わず圧倒されます。半目で少し眠たそですが、この慈愛深い御姿に仏教徒でなくとも、その場にへへぇ~!!とひれ伏してしまいそうです。もう悪いことはできません。

*因みに、彼が肩肘をついて横たわっているのは眠いからでも疲れたからでもなく、悟りを開き、涅槃の境地に達したことを意味しているのです。怠惰の表れではありません。


15メートルにもなる彼の御体の側をゆっくり歩いていくと…


菩薩様の御爪先!ごっつい偏平足!!仏教では超人が持つ32の身体的特徴の1つとされているので、決して身体の成長異常ではなく、寧ろ素晴らしい身体的特徴なのです。


長さ5mの物凄く平べったい足の裏には、不自然なまでに螺旋状となった指紋と、貝を細かく使った螺鈿細工で108面のバラモン教の心理、宇宙観が描かれています。汚れではなく、シワでもありません。


螺鈿細工という、細かく砕いて磨いた貝殻を嵌め込む技法によって描かれた宇宙観は非常に神秘的。ありがたき足の裏。これなら足の裏を向けて寝られても文句ありません。

お釈迦さまの足の裏から背中側へ回ると、皆さま何やら不自然な感じで壁際に沿って歩いていています。
ひだり みぎ
これは、廊下にずらりとずらりと並べられた108つの鉢にサタン硬貨(1バーツ=100サタン)をを順々に鉢の中に喜捨しているようです。108つの鉢に煩悩を象徴するサタン硬貨を順に入れていくことで、我々は煩悩から解放されるらしいです。

最後は素晴らしき後頭部を拝んで御堂めぐりを終了。

後頭部からも溢れんばかりの慈愛を感じます。

目玉である寝仏の見学は終了しましたが、何せ80000㎡もあるワットポー、他にも見所があります。
ひだり みぎ
本堂を取り巻く回廊にニョキニョキと天を突くように建つ細かい中国の陶片で装飾された仏塔は、王や王族の墓標らしい。特別に大きな4基の塔は色分けされていて、緑がラーマ1世、白が2世、黄色が3世、青が4世を象徴していて、中にはそれぞれの王の遺骨が納められている。

ひだり みぎ
中国風仏像も多く建てられています。金ピカの像よりもナチュラルな石像の方が風情があると思うのは私だけか。

また、マッサージもワットポーの特徴の一つ。
ひだり みぎ
タイに伝わったマッサージは医者や修行僧らによって技術伝導がなされました。アユタヤ王朝以降に宮廷医師らによって纏められた治療法などは、当時の王様ラーマ3世の命で壁画や鋳像、石版などに記録され、全ての技術、ノウハウが惜しみなく寺の参拝者全員に開放されました。1957年には『タイ伝統医学校』が開校され、今や日本を含めた世界中からの人々がタイの伝統マッサージを楽しみに来る他、実技講習を通じてマッサージ師の資格を取る外国人もいるようです。

境内にある2件の東屋で行われており、寺の拝観時間終了後も営業しています。料金やマッサージの種類は当ページの最下部に記載しておきます。
今日はこの後も濃密な旅行日程が詰まっているので、マッサージ無しで、次なる目的地、ラーマ1世により建立された『ワットスタット』へ向かいます。

●拝観時間:08:00-18:00
●拝観料:100バーツ
●バス: 1,2,3,6,9,12,25,32,44,47,48,53,508,512

●マッサージ営業時間:08:30-22:00
●料金:ボディーマッサージ30分=220バーツ、1時間=360バーツ
ハーブマッサージ1時間=480バーツ
フットマッサージ45分=360バーツ

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