フォーの老舗『Pho Hoa (フォーホア)』

東南アジア出張中の苦行の中での唯一の楽しみはB級レストラン巡り。ここ3年間で様々なベトナムローカル料理を平らげてきましたが、その中でもやはりフォーは別格。ベトナムと言えばフォー、フォーと言えばベトナムというくらいフォーの魅力に陶酔しきっています。

そもそもフォーとは何ぞや?フォーとは鶏がらや牛骨からの出汁で取ったアッサリ透明スープにライスヌードルと肉や香草やモヤシなどのトッピングを無造作に投入するというお手軽麺料理です。現地人の間でも大衆食として定着していて、『フォー2000』や『フォー24』等のチェーン店が街中に大展開しています。


フォー24。日本で言うところの牛丼的な位置付けになるのでしょうか、『速い・安い・うまい』の三拍子を揃えて人気を博しており、ホーチミン第一区だけでも9店舗を構えるまでに勢力を拡大。そんなフォーブームによるチェーン店乱立による競争激化の煽りを受けて、私一押しのフォーの名店・Clam Pho Houseがまさかの廃業に追い込まれてしまいました。


日本では牛肉入りフォーが主役ですが、Clam Pho Houseではアサリなど海鮮類がメイン。麺もきし麺のようなコシがあり、廃業が悔やまれる絶品でした。

今日も意気揚々とClam Pho Houseに向かったのですが、到着後に廃店の事実を知り暫し絶句。失意の中、代替案としてフォーの老舗『フォーホア』を目指すことに。60年以上も続く超老舗フォー屋さんで日本のガイドブックの常連でもあります。

場所はパスツール。タクシーでベンタン市場等の中心地から10分程度です。


ローカル色の強い店内レイアウト。若干躊躇しつつもいざ入店してみます。


店内には創業者の顔写真やら縁起の良さそうな飾り物が立て掛けられています。


風水画や鹿(?)の顔面の壁飾りなど、中華色プンプンの店内です。


卓上には注文前から食べ物がドッサリと放置してありますが、決して前客の食べ残しではありません。フォーのトッピングであるパクチーやライム以外のバナナや揚げパン、粽などは食べた分だけ会計時に請求されるシステムですので、食べ過ぎには御用心。


メニュー。肉の部位や火の通し方によってメニューが細分化されていて、フォーだけでも12種類用意されています。英語表記があり助かりますが、どうせなら値段も併記してくれよ

値段が分からずボッタクリの恐怖に怯えながらも牛筋のフォーと生春巻きを注文。
香菜嫌いの方の為にデフォルトでは草系のトッピング無しで運ばれてきます。このスープの透明度には感動。サッパリテイストにライムの爽やかな甘味が良く映えて絶妙。


香菜好きの方は無料で山盛りにグレードアップすることができます。ミント系やコリアンダー、バジル等、複数の種類が用意されています。多彩な香草使いこそがベトナム料理を特徴づけるキーマン。癖のある味ですが、やはり香草無しには物足りない。


地元民の方々は味噌や醤油、チリソース等を調合していました。


こちらは生春巻き。ミントやバジル、しそ等のハーブと、生野菜、ゆで海老お米から作られるライスペーパーで包んだ巻物を甘辛いピーナッツソースにつけて食す。シャキシャキプリプリとした食感で、中国の油揚げ春巻きとは違った美味しさである。

〆て75,000ドン(300円弱)。Clam Noodel Houseの廃店は残念であるが、フォーホアも悪くない。300円で腹いっぱい美味い料理を食せる幸せ。東南アジア出張も悪いことだらけではありません。

 

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