インドネシア文化の多様性~お布施は定額制?~

続いては独立記念塔の展望台から見えたモスクを目指します。地理感が無いので遠いか近いかも分からないがモスクの方面に直進!

見えた!!
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けど鉄柵が邪魔…

結局大きく回り道をする羽目に。
で、今度は大量の車が邪魔で道を渡れない。歩道で10分ほど立ち往生してしまいました。

ようやくの思いで辿りついたこのモスク、正式名をイスティクラル・モスクといい、東南アジアでは最大規模のものであります。
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1961年に建築が始まり,1978年に完成しました。歩けばモスクに当たるとも形容できるほど街中には多くのモスクが建っているジャカルタですが、このモスクはその中でも聖地扱いされています。

立派なゲートだなー。でも閉まってる?
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そっと顔を覗き込んでみたら『NOOOO!!』と言われ追い出される。非ムスリムは入場禁止かとも思ったが、どうやら正規の入り口ではないらしい。

おぉあったあった。中央の入り口発見。
ひだり みぎ
人生で初めてモスクの敷居をくぐりました。少しピリッとした雰囲気で緊張。襟を正さねば。

建物の入り口。このアニキはコードを担ぎ入れて何に使うのか。
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周りにならってここで脱靴して入場。ここに靴を放置していくのは危ないと思ったので手で持って入りました。特に持ち物検査、身体検査などは無し。

だが、入ってみても右も左も分からない。勿論インドーメーションセンター的な場所も無い。入り口付近で建物の内部の様子を見物していると、後ろからWhere are you from!?と不意に声をかけられ、振り返るとワイシャツにスーツパンツの井出達の小柄な男性が私を睨みつけている。日本から来たことを伝えると、『じゃあこちらへどうぞ』と小部屋に通される。どうやらモスクの係員のようだ。ここで記帳簿に名前・国籍・ジャカルタ滞在目的(観光かビジネス)を書かせられ、最後にサイン。記帳履歴を見た限りではドイツ人観光客が多い様であった。記帳簿が載る机の上にはどでかいお布施箱が…この部屋で靴を保管しろとの事なので、靴を預けることに。これで人質ならぬ靴質を取られ、逃げられなくなりました。

裸足(靴下)の状態で係員にモスク内を連れられるのはちょっとおっかなかった。階段を上り、また上りる。大理石の床がひんやりして気持ちいいからだろうか、途中の廊下では人々が集まって固まって寝ていたりする。そして連れられた先は…

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うぉぉぉ!!圧倒的な規模で、凄くモダンな造り!必ずしも私が想像していたモスク内部とは一致しなかったが、それでも独特な雰囲気が醸し出され、敬虔な気持ちになる。この場では向こうの壁の方面に向かってお祈りをしたり、胡坐をかいてくっ喋ったり、大の字になって寝ころぶ者がいたり、皆それぞれが自由気ままな感じでいるようだった。左側には柵が見える。この柵から右側が男性用スペース、左側が女性用スペースと明確に区分されているのだが、スペース配分が非常に男女不公平(苦笑)モスクは男女平等を求める社会運動の矛先にはならないのか。

礼拝所は5階建てになっており、これは1日5回の礼拝を表しているらしい。集団礼拝が見てみたかったが、この日この時間は閑散としていた。
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このスペースには最大で2万人収容できると言う。流石は世界一のイスラム人口を抱えるインドネシアである。

天井。
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言葉で表現するのは難しいが、やはり独特な雰囲気でムスリムではなくとも心が洗われる気分になる。この場、この雰囲気を満喫したかったのだが、係員が2分置きくらいに『go, ok?』と戻りたそうに拙い英語と明らかに嫌そうな顔で横やりを入れてくるので、長くは滞在できなかった。

その後、来た道を戻り、靴の保管場所へ。靴を手に入れ戻ろうとするとやはり来た、『Make a donation!』質問系じゃなく、ドネーションしろと命令形で言い切ってきた。英語が話せないのにdonationという単語は知っているらしい。たった5分くらいの滞在であったが最初から多少なりとも払う気でいたので、イスラムの神に敬意を表し、ポケットに入っていたRP 30,000をお布施する。するとRP 50,000だとか言ってきやがる。ドネーション(お布施)なのに定額制かよ!!払えと言われれば無性に払いたくなくなるヒネクレタ私ですから、とりあえずノーマネーと言ってみる。すると以外にもあっさり解放してくれました。私がお布施箱にお金を投入する際、係員が私の手中にあるお金をガン見していたのが非常に印象的であった(笑)
その後、一人で一階を見て回ろうとしたのだが、出口はあっちだと摘み出されてしまった。やはりIR 50,000を払わなかったからなのだろうか…相手はムスリム。ここはモスク。完全なアウェーであり、イザコザをおこすのは合理的でないし、今から不足分のRP 20,000を差し出すのも不適切な気がするので泣く泣く引き下がることに。
その後、イスティクラル・モスクと道を隔てた先にあるローマ・カトリック教会に向かう。国立モスクのすぐ横っちょに多宗教の拠点があることがインドネシアの宗教政策を端的に表している。人口の約90%を占めるイスラム教ですら国家宗教とは定めず、他の宗教もきちんと認めた上で共存しあっているのだ。他の宗教を否定する事は簡単だが、その否定は憎悪や悲劇に繋がるだけであることは人類の歴史からみても明らかであり、多宗教共存策は多様文化を有するインドネシアにあって賢明なチョイスといえるだろう。

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モスク側の道路から見た教会。教会を見ると何となく安心する。モスクを見た時は緊張した。小生はキリスト教徒でもイスラム教徒でもないが、意識的なレベルで各宗教に対して一定の先入観を持ってしまっているのか。

教会に入ろうとすると入り口横にRP 2,000と書いてあり、『???』と思いながらも払おうとすると、これは駐車場料金だったらしいwww 東南アジアにいると何でもお金を取られてしまうという意識になってしまう。

ひだり みぎ

先月のイベント
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Jesus, trust in you! 何か大衆受けを狙ったミュージカルっぽくて面白そう。

フェースブックとツイッターのページもありますwww
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やはりインドネシア国内では宗教間でのシェア争いが激化しているのかwww教会がSNSに登録する時代になったのですね。

現在では国民の80%やら90%がイスラム教徒であり、国土全体にモスクが乱立するのは当然と言えば当然なのですが、その中でも多宗教の活動が公然と認められている。古代からインドネシアは多民族の国家として栄え、言語や宗教も多様であった。この背景はインドネシア共和国独立後も重要視され、『多様性の中の独立』が建国の理念として今の宗教政策にも適用されている形だ。

本当に宗教的な行為とは自分の信念を他人にごり押しするのではなく、互いに認め合い、尊重し合い、社会の中で共存していくことだと思う。そういった意味では異なる価値化を共存させているインドネシアの宗教政策に倣って世界の宗教問題が改善されれば良いのだが。

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コメント

  1. 旅行好きサラリーマン

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    >旅人さん
    コメント有難うございます!インドネシアは単一民族国家である日本の正反対のような国で、良い意味でも悪い意味でもとても刺激的な国ですよ^^

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