前回からの続きで、中山百貨店以東の孫文中路を歩いていきます。ここからは中山市の重要文化財が目白押しな上、庶民的な街並みも保存されていて、古き良き時代の中国の一面も垣間見ることができます。
本日の散歩ルート。
孫文中路を歩ききり、一本北を走っている太平路を経由して中山百貨店方面に戻ります。
先ずは孫文記念図書館。
孫文と孫文夫人のモニュメントが目印です。多分、等身大であろうが、非常に小さい孫文像。彼の大言壮語っぷりと貫禄のある丸顔から大男のような印象を持っていたが、実際は156cmと超小柄だったそうです。
図書館の傍には西山寺があります。
紛らわしい右横書き。思わず『寺山西?』と思ってしまいそうですが、西山寺です。明朝時代に建立された由緒あるお寺です。
小山を登って西山寺を目指す。表門に近づくにつれて線香の香りがしてきます。
境内の拝殿には観音菩薩様が祀られている。建立当時の主要物品は文革時に僧侶達によって他所に持ち運ばれ散失てしまったそう。
西山寺からの風景。市街中心地には急ピッチで高層ビル群の建設が成されておりますが、少し道を折れたら築うん十年の今にも崩れ落ちそうな(失敬!)家屋が見受けられ、中国の格差社会を肌で感じることができます。
続いて小山を下り、孫文路を一路東へ進んでいきますと…
ラジオ博物館が見えてきます。ラジオの博物館…いくら博物館好きな私でも余り興味をそそられない…
これはお隣の中山市博物館の副館にあたり、文字通り大量の(約230台)のラジオが展示されています。収蔵数は2000台というから驚き。邱建球さんという方が邦貨換算で数千万の大枚をはたいて1920代から80年代までの間に中国で生産された全てのラジオと海外のラジオを買い集めたそうです。世の中いろいろな人がいますね。
中国ラジオ博物館 | |
住所: | 中国 广东省中山市孙文中路197号 |
電話: | (0760)8887 3686 |
時間: | 09:00-17:00 |
定休日: | 中国祝日 |
料金: | 5元 |
館内には何の捻りも無く無数のラジオがただただ展示されています。
所々でラジオ史の説明があります。
世界で無線ラジオが発明された後、1920年代に中国の東北三省で国産ラジオが製造され始めました。満州電信電話株式会社製。へぇ~~。
二階では
偉大なる毛さんのラジオ演説での熱演っぷりが永遠と流れています。
ラジオマニアの方以外は敢えてここで時間を取る必要は無いかと…
さて、ラジオ博物館から更に東を目指します。
天主堂。孫文がキリスト教徒だったこともあるのか、中山市内にはちらほらと教会が散見されます。
天主堂を過ぎると雰囲気は一転、古い『素』の中国が見えてきます。
敷地の仕切り柵
針金柵でもなく、有刺鉄柵でもなく電気柵でもありません。手作り感満載、ガラス、ビール瓶、茶碗の破片を用いた防護柵です。
ビニールプールに浮き輪の専門店。幼少時代を思い起こさせる懐かしい風景です。
日本では昔ながらの家屋といえば木造建築であろうが、こちらは煉瓦造りの建築物が主流。ちょっとごつい人間が肩タックルしたくらいで崩れてしまうのではないか?と思うくらい脆弱な造りに見える。地震リスクの少ない広東省ならではの住宅スタイルなのだろう。
毛主席万歳…
近いうちに市内中心区の歴史ある建造物は立ち退きさせられる運命にあるんだろうと思うと残念でしょうがない。
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